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【トゥルー・クライムHOT10】The First 48 Hours(密着! 殺人捜査リミット48時間)で殺人課の日常を追う。【#8】

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「殺人課の刑事は、呼び出しがあった瞬間から時間との闘いに追われる。事件発生から48時間以内に手がかりを見つけられなければ、事件解決の確率は5割に減少するからだ」…といった趣旨のプロローグが定番の刑事実録モノです。今風にいうと、リアリティ番組というのかな。事件発生から48時間を主軸に、刑事たちの奮闘をカメラが追います。もちろん、全部の事件が48時間以内に解決できるわけはなく、そこから数か月単位で事件解決もしくは少なくとも容疑者逮捕までの推移もカバーしています。

リアリティを謳うだけあって、ギリギリのビジュアルもお構いなくお茶の間に届けます。現場の臨場感は、Forensic Files以上。グロ耐性のない方にはおすすめしません。

実際の刑事たちの業務紹介がメインなので、謎解きの要素はほとんどなし。容疑者についても、ドラマのように都合よく動機をくっちゃべるとは限らず「弁護士が来るまで喋らねーよ」と無言の戦法を貫いて刑務所送りになることも。

そして、ほとんどのケースが麻薬の抗争の末の殺人だったり、麻薬欲しさの盗みだったりします。加えて、言い方は悪いですが、ほとんどの場合、被害者もハイリスクな属性を持っています。殺されて当然とは言いませんが高校中退したプータローだったり麻薬売買に関与していたりとそれなりの生活習慣だった被害者が多く、私が視聴したうちでは、全くの「無辜の市民」は3エピソードくらいしか記憶にないです。番組の性質上、刑事たちは”No one deserves to die like this."と、9割方被害者のフォローはしますけど。

あと、ストリート的英語表現に詳しくなります。We wereの代わりにWe was、He has been~の代わりにHe been~といった、正規の英語表現とは違ったフレーズが頻繁に被疑者・証人の口から飛び出しますので、言語学に関心ある人にはこれも見どころかも。

なお、ナレーターのディオン・グレアム氏はきちんとした語り口なのでご安心ください。Forensic Filesのピーター・トーマス氏と並ぶ、非ネイティブでも聞きやすい口調の方です。

シーズンごとに取材対象となる地域が代わっており、クリーブランド、アトランタ、マイアミ、デトロイト、シャーロット、サンアントニオ、メンフィス、ニューオーリンズ、ダラス、ミネアポリス、フェニックスが含まれているのでNBAファンという観点からも興味深く視聴できます。

ドラマにあるようなキラキラしたオフィス街やらゴージャスにしつらえた邸宅はほとんど出てきません。それこそNBA選手の多くが生まれ育った「プロジェクト」という、貧困層向け公営住宅が舞台。観光客は知りえない、米国のリアリティの一部を知ることができる貴重な機会と感じています。

地域によってキャラ立ちの波があり、やはりキャラが立っている刑事たちはロングランで取材対象となります。

今まで人気だったのは、メンフィス市警とマイアミ市警でした。

メンフィス市警については、自分がMEMファンだから面白く感じるのかと思いきや、SNSに寄せられるコメントでも人気が高いのを確認。昔ながらの強面な「デカ」という感じのメンバーが揃っていました…が、そのせいか市が提訴され、取材禁止となってしまったそうです。また、マイアミ市警では刑事が誤認逮捕してしまい、ここでも容疑者とされた若者が市を告訴したため、市は製作者のA&Eとの取材協力を解消しました。

最近人気でやはりロングランで取材されているのがオクラホマ州はタルサの刑事たちです。
(画像はA&EのFB及び公式サイトから)

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角度によってはチャンドラー・パーソンズっぽく見えるレザーマン刑事。初登場時は冷たいイメージでしたが段々喜怒哀楽を見せるように。タルサ市警の公式インスタグラムでは、2019年の現地秋祭りの出展ブースにおりました。
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レザーマンの相棒、ホワイト刑事。市民を脅かすヤギを蹴ったりします。市警公式YouTubeチャンネルでは、未解決殺人事件の情報提供を呼びかけていまおり、番組よりシリアスな表情を見せていました。

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チャラ男だけど被害者に優しいフレイジャー刑事。「殺人の捜査には目撃者、被害者、容疑者という3種類の関係者がいる。お前はそのどちらだ?」という、取調室での決め台詞が印象的でした。「そのしゃらくせえボウタイなんとかしろ」と同僚に言われたこともあります。2018年シーズン終盤で辞職。
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「なあ、このチノパン、ケツがでかく見えないか?」と、部下に確認をお願いするお茶目なウォーカー巡査部長。部下たちの奮闘を口数少なく見守る立ち位置ですが、自白しない容疑者には容赦しない、熱い一面が見られます。2020年に定年退職しています。



by simonesmundane | 2018-01-05 15:03 | トゥルークライム系海外メディア | Comments(0)

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