吉祥経とは、仏教の経典の一つで、最高の幸福や繁栄を得るために行うべき38の行動を説いたものです。2~3世紀頃、クシャーナ朝時代に成立したとされています。仏陀が神々や人々の問いに答えたという形式で書かれています。パーリ語でマンガラ・スッタと呼ばれ、スッタニパータという経集に収録されています。日本では、日本テーラワーダ仏教協会がパーリ語原文と日本語訳を公開しています。吉祥経は、仏教徒の日常の読誦や祈願に用いられることが多く、特に正月には吉祥天を本尊として最勝王経とともに読誦する儀礼が行われます。
Mangala Sutta is one of the Buddhist scriptures that describes 38 actions that should be taken in order to achieve ultimate
happiness and prosperity.
The sutta is written in the form of Buddha answering the questions made by gods and people.
It is called Mangala Sutta in Pali and is included in the Suttanipata collection.
Mangala Sutta is often chanted by Buddhists in their daily recitations and prayers.
飲酒の自制や足るを知る等、わかりやすい清らかな生き方が究極の幸福への近道だと説いているのですが、
文字を追うにつれ手芸好きとして目を引く句があったので、迷わずコモンプレイスブック*に書きつけました。
*コモンプレイスブックとは、昨年から手帳YouTuberが何人も紹介しているノート術の一種です。
一冊のノートに感銘を受けた文言を分野を問わず書きつけるという手法で、古くは『失楽園』を上梓した詩人ジョン・ミルトンが
活用し、17世紀の英哲学者・経済学者ジョン・ロックが具体的に仕組化したことで知られています。
ロックはこのメモ方式について論文まで出しています。
https://publicdomainreview.org/collection/john-lockes-method-for-common-place-books-1685/
別に時代を先どったと思っていませんけど私自身も(コモンプレイスブックという名を知らずに)ここ数年間各種のインプットにノート一冊を使い切っていました。
(正確には、外出時には手のひらサイズの手帳を使い、自宅ではA5くらいのコモンプレイスブックにメモする感じ。なお、美々しいカリグラフィーやデコレーションはしませーんw)
To have much learning, to be skillful in handicraft, well-trained in discipline, and to be of good speech--this is the greatest blessing.
"たくさん聞き学ぶこと、技芸、善く身についている躾、言葉が善く語られること、これが最上の吉祥です。"
(英訳はBuddhanetから引用:https://www.buddhanet.net/e-learning/ethics_m.htm
和訳は日本テーラワーダ仏教協会から引用:https://j-theravada.com/world/sutta/sutta-10/)
新年は令和6年能登半島地震そして羽田空港での航空機事故と胸をえぐるような災害・事故が起こりました。
自分たちにできることを熟慮する中で指針になりそうな句をもう一つ、吉祥経に見出しました。
"A mind unruffled by the vagaries of fortune, from sorrow freed, from defilements cleansed, from fear liberated — this is
the greatest blessing."
"世間のものごとに触れても、心が動揺しないこと、憂いがなく、汚れがなく、安らかであること、これが最上の吉祥です。"
直に被災・事故に遭遇していない人ができる一番簡単な善行は、うろたえないことだと思っています。
波濤に告ぐ嘆きの渦も連れていけ-byうぷ主